新緑の青森
JRのどこまで乗っても6000円という切符があったので東能代までいき、そこでレンタカーを借りて白神、五能線、岩木山、三内丸山、八甲田、奥入瀬を回り、八戸からまたJRで帰ってきました。結果的に日本海から太平洋まで横断した旅でした。新緑のブナ、ミズナラに存分に浸ってきました。ついでに温泉にも。


                                    <白神岳>      2号
雨模様の天候のため二つ森登山を諦めて不老不死温泉に向かう途中展望台に立ち寄った。下のほうだけ見えていた山の雲がどんどん取れて、描いている最中に白神岳が現れ慌てて山頂を描き足す。この場所の右下が沢辺漁港で、あとで分かったことだが、小百合さまが登場するJRポスターの撮影地であった。
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                                     <手這坂集落跡>    2号
白神の展望台である二つ森を諦めたので、代わりに観光案内に日本の原風景に出会えると載っていたので、ここまでやってきた。むかし、菅江真澄が桃源郷と称えたとあるが、現存する茅葺は数軒の無人集落。人の住まない集落は侘しさが漂う。
                <五能線 千畳敷>    2号
五能線に乗車するため不老不死温泉に2泊した。深浦〜千畳敷間を往復する。強風と寒さで手が凍える。ウミネコもよたよたと飛んでいた。あいにく落日が見えないのでつい海岸線を眺めることになったが、漂着物の多さに目を覆いたくなる。何とかしないと五能線の将来は危うい。
                <十二湖 青池>    2号
深浦漁港で飛び切りうまいタナゴを食した後、十二湖を散策する。小雨ふるブナ林は本当に心地よい。有名な青池は確かに青いが拍子抜けするほど小さい。
               <十二湖ブナ原生林>    2号
ここは白神のブナをちょっとだけ味合える。林の奥に夕日がわずかに透かして見えた。
           <不老不死温泉 海辺の露天風呂>    2号
荒天のため入浴禁止とあったが無視して湯に浸かる。打ち寄せる波頭を眺めながらの入浴は中々の気分である。ここは黄金崎、不老不死というネーミングのよさが際立っている。泉質は金っ気の強い食塩泉で、あまり上質とはいい難い。
                  <岩木山>    2号
時折豪雨となる中を鯵ヶ沢から岩木山に向けて車を走らせる。途中ミニ白神という町営施設に立ち寄って少し歩く。ブナ、ミズナラの巨木が多く、十二湖より充足感がある。山麓公園あたりで急に視界がよくなり岩木山がほぼ全容を見せた。しかし、スケッチ中にまた隠れてしまい、遠来の客にちょっとだけご挨拶といった按配であった。
<弘前カトリック教会>  2号
岩木山麓は諦めて弘前見物する。想像以上に規模の大きい城で、ここならば桜見物も悪くないと思う。町並みも潤いが感じられて好ましい。旧外人教師館で優雅にお茶を楽しむ。弘前教会は木造のロマネスク様式のもので明治43年建立、内部の装飾も美しい。
<青荷温泉>  2号
今夜の宿、青荷温泉に向かう山道から宿が見えた。本当に山あいの一軒宿。昭和5年の開業、それ以前は、杣人の利用する野天風呂だったようだ。今は電気も来ているがあえて宿の照明はランプのみで電化製品は部屋に置いてない。従って夕食後は風呂に入るか寝るしか手がないので、4ヶ所の湯をハシゴした。
<青荷温泉 露天風呂>  2号
この宿の健六の湯はJRポスターになったことがある。実はこれに惹かれてここまでやってきた。しかし、この宿の一押しは古色蒼然とした内湯である。早朝窓を開けて森の冷気を取り入れながら浸かっていると、これぞ湯治という気分になる。因みにこの絵の露天風呂は鈴木何とか嬢のポスターで有名らしい。
           <三内丸山遺跡>    2号
この旅の一つの目的はこの縄文遺跡であった。ボランティアガイドの案内で興味深く見て回る。太さ1mもの栗柱跡から復元されたこの建造物はあまりに大きすぎて画面に収まらない。遺跡のなかでピクニックランチをとりながら縄文時代に心を馳せる。それにしても太さ1mの柱に穴を開けて貫き技法で木組みを行っていたとは、どこかの監督ではないが「信じられない」
           <田茂范岳からの眺望>    2号
酸ヶ湯で千人風呂に浸かった翌日、あまりの好天にロープウエイで田茂范岳に上る。頂上は全くの雪の世界。グリンデルワルトからユングフラウヨッホに上った時の印象に似ている。雪道を歩いてこの光景に出会う。右端が八甲田の主峰、大岳。
            <八甲田からの岩木山>    2号
ロープウエイの係員にヴューポイントを教わってスケッチした。岩木山は、さすがに津軽の人々が神の山と敬うだけの威容を備えている。
            <大岳と高田大岳>    2号
八甲田ホテルの庭からの眺望。右側の高田大岳は若い頃友人と春スキーに来た山で、その時は多分猿倉から半日かけて登り、反対側の北東斜面を滑り降りたと思う。この後、車で回って見ると、この時期でも北東斜面はべったりと雪がついた大斜面であった。
               <蔦温泉正面玄関>    2号
最後の宿は癒しの宿として名高い蔦温泉。いかにも大正時代の宿と思わせる佇まい、古い歴史を誇る湯、ブナの林の中の池めぐり散策路など憎いまでに癒しの条件が揃っている。湯温が少し高いのが玉に瑕。
              <早朝の蔦沼>    2号
蔦温泉は早朝散歩が楽しい。ブナの木、小川のせせらぎ、水芭蕉、小鳥の囀り、おまけに蔦沼は小百合サマが写真を撮られた場所である。丁度この辺りかと思われるところでスケッチする。
                <奥入瀬渓谷>    2号
奥入瀬を遡り十和田湖に向かう。さすが奥入瀬は見所が沢山あるが駐車スペースが極端に少ないので描く場所を探すのに苦労する。やはり最初から歩くつもりで来ないと不満がのこる。